ニーチェの思想は、一般に、(1)根源の一者との一体化、始原のザイン(存在)への躍入として示される「ディオニソス的智慧(ちえ)」への信頼、(2)あらゆる理想への信頼と愛着を断ち切り、徹底した懐疑と冷厳な認識の自由に生きる「自由な精神」、最後に、(3)「永劫(えいごう)回帰」の境涯におけるいっさい肯定を説くツァラトゥストラ、以上三つのものによって象徴される三つの時期に区分される。最初の著作『悲劇の誕生』は、もちろん、前述の第一期を代表するものであると同時に、『ツァラトゥストラはこう語った』と並ぶニーチェ生涯の代表作でもある。ヒルティ著作集 第一~十一巻 10冊セット 第十巻抜けあり。『悲劇の誕生』が打ち出した決定的な新機軸は「ディオニソス的」なものにあるが、ニーチェによれば、ギリシア悲劇の根底にある芸術衝動には、過剰、陶酔、激情に向かうものと、秩序、明晰(めいせき)、静観、夢想の方向に進むものとの2種類があり、前者は酒神ディオニソスにちなんで「ディオニソス的」と称され、後者は太陽神アポロンにちなんで「アポロン的」とよばれる。音楽や舞踊はディオニソス的であり、造形芸術や叙事詩はアポロン的であるが、これら二つの衝動はギリシア悲劇においてはみごとに結合している。英語洋書 初期近代イングランドにおける宗教、魔術、科学の起源【Religion, Magic, and the Origins of Science in Early Modern England】。しかし『悲劇の誕生』は、ディオニソス的とアポロン的という2概念を駆使したギリシア悲劇成立に関する文献学上の学術論文であるという以上に、ニーチェ自身の芸術論的な形而上(けいじじょう)学、存在論の表明でもあった。本書の根本意図は、「叙情詩人の“自己”はザイン(存在)の深淵(しんえん)から響いてくるのだ。モンテーニュ随想録 モンテーニュ。近代の美学者がいう意味でのその“主観性”は思いこみである」といわれているように、芸術の根源を主観に置く人間中心主義に逆らい、「ディオニソス的」と尊称される始原の一者、根源のザインに求めるところにある。「始原の一者」「根源の存在」「世界の心臓」は時間空間および因果のうちにある経験的事実ではないから、当然それは「現象の機関およびシンボルとしての言語」によって語るべきものではなく、本来はむしろ沈黙すべきもの、あるいは一転して「歌う」べきものである。[A12353989]正戦と内戦 カール・シュミットの国際秩序思想。経験的事実=現象の形式である個体化の原理(時間空間および因果)が越えられるとき、人間の内奥より、また世界そのものの内奥より湧(わ)き出てくる喜悦と恍惚(こうこつ)という性格が「ディオニソス的」なものには付きまとっていたが、過剰ゆえの苦痛であると同時に、「現象のあらゆる転変にもかかわらず不壊なる力をもち、愉悦に満ちたもの」、あらゆる文明の背後にあって不滅なるものという性格を「歌い」上げた根源の生への賛歌が後年の代表作『ツァラトゥストラはこう語った』である。 なお、第二期の懐疑と認識と、第三期の生の再肯定をつなぐ著作として、『悦(よろこ)ばしい知識』(1882)はとくに重要である。◇岩波文庫 ワイド文庫大量約850冊 戦前~1990年代頃まで 即決送料無料。1882年から1888年にかけて書きためられた遺稿は、一部『力への意志』に収録されている。
大事にコレクションしておりましたが、増えすぎたDVD・CD類の整理をしており、この度出品させて頂きました。佐野公治『四書學史の研究』創文社東洋学叢書/四書学史。格安にて出品させて頂きましたので、どなた様かお引取り頂き、お楽しみ頂ければ、誠に幸いです。
*お決まりですがノークレーム・ノーリターンにてお願い致します。
*保管品ですので、神経質な方のご入札はご遠慮下さいますよう宜しくお願い致します。ローマ喜劇集 全5巻 月報揃い 西洋古典叢書 プラウトゥス 京都大学学術出版会。